2011年9月2日金曜日

26:ゴイアニア被曝事故の鉛棺(2)

(1)からの続きです。

ドイツの環境保護のあるサイトではこの事故についての報告がありますが、そこに以下の記述があります:

Opfer im Bleisarg begraben
An den direkten Folgen der harten Gammastrahlen des Caesium 137 sind kurz nach dem Freisetzen des Materials vier Menschen gestorben. Darunter die sechs Jahre alte Leide Alves Ferreira, deren hochgradig radioaktiver Leichnam in einem bleiernen Sarg mit Zementmantel begraben wurde.

犠牲者 鉛棺で埋葬
セシウム137の酷いガンマー線の直接の影響により、この物質の放出の直後に4人が死亡した。そのひとり6歳のLeide Alves Ferreiraの高い放射性遺体はコンクリートで覆い固められた鉛の棺に入れられ埋葬された。 
http://www.oekosmos.de/artikel/details/radioaktives-altmetall/

これが危険を知らず、放射線物質に触れてしまった幼い少女の悲惨な最期です。

ヨローッパでは古くから贅沢品として腐敗しない鉛の棺で埋葬することも あったとのことですが、これはもとより放射線遮断のためではありません。

また、ドイツでもかなり前ですが、原子力発電所の第一次冷却系の過失による蒸気漏れ事故で、作業員が死亡、高線量のため同様に鉛棺に入れられ埋葬されたとの報道がありました

この方法は、遺体を焼却もできない土葬もできないジレンマのひとつの解決策かもしれません。

大地震と大津波の犠牲になった方々の多くの遺体が原発事故のため長く放置され、放射線汚染され収容もままならぬ状態が現実なのです。これからどのようにして死者の尊厳を損しない ように収容し埋葬されるのかはわたしにも判りません。ただ前例としての以上の事実を報告しておきます。

ただ、このフクシマの現実は、核技術がいかに自然の摂理に背き、生きとし生きるものの尊厳を拒絶して止まないものであるかを語っています。この現実から目をそらすことは許されず直視しなければならないのです。

フクシマ後の防災の日に

犠牲者のみなさまに合掌しつつ

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注;ゴイアニア事故については:

ご存知の京都大学の小出裕章先生が、原発事故の解説のなかで判り易く採り上げておられます:
http://chikyuza.net/n/archives/5043

緊急医療の専門サイトが「癌治療線源盗難事例」として挙げています:
http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/3_3_1.html

ウ゛ィキペディアの英文
http://en.wikipedia.org/wiki/Goi%C3%A2nia_accident

1987事故年当時のシュピーゲル誌報道
http://www.spiegel.de/spiegel/print/d-13524893.html

また、公式なものとしてはIAEAが1988年に事故報告を公表しておりPDFで読めます。

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