2013年3月18日月曜日

156:ドイツZDFがフクシマ2周年で無責任な除染と子供の甲状腺癌の隠蔽を報道/お母さんたちの知識にはびっくり・日本語字幕付き動画公表

 フクシマ2周年にあたり3月12日夜、ドイツの公共台テレビZDFが報道番組・→Frontal21の中(この日の3番目Fukushima)で、フクシマのデタラメな除染と子供の甲状腺癌の発生などの現状について、→「Atommüll unter dem Spielplatz/遊園地の下に核のゴミ 」とのタイトルで放送しました。
この15分ほどのビデオを翻訳家の梶川ゆうさんによる→日本語字幕で見ることができますのでご覧ください。
(なを、梶川さんの→ブログ「無限遠点」はこちらです。ほかにも優れた報道の翻訳が多く見られます。)
 
 この部分だけのビデオには出てきませんが、上記オリジナルでは司会の女性が「核汚染のゴミを遊園地の真下に埋めたり、川に投げ捨てたりしている。こんな無責任なことが許されるのでしょうか」と述べています。
今では日本でも人気のあるハノー記者は、郡山市のお幼児を抱える母さんたちの集まり安心安全アクションin郡山通称→3a/スリーエイ野口時子代表)」 を訪ねて、声を聴いています。そこで汚染食品の汚染測定をしている彼女らの知識の豊富さに「物理の専門家なのか」と驚いています。
 わたしもここを訪ねたことがあり、「エートス・プロジェクト批判」関連で以下の写真を付けて→簡単に紹介しましたが 、ここにあるようにお母さんたちは、全くの白紙から子供を守るために写真にあるように世界的な知識人の最高の知見も聴き、非常に勉強して放射線防御のエキスパートになっているのです。
このような日本各地の市民測定所の活動ぶりは世界中のメディアが注目(日本だけは例外)しています。最近では韓国のソウルで最初の測定所が立ち上がっています。


 また、子供の甲状腺癌発生については、「フクシマとは関連があるとは出来ない」とする無責任な公式見解も丁寧に紹介し、北海道がんセンターの西尾正道院長の批判も紹介しています。
フクシマの子供の甲状腺癌発生については、IPPNWが 意見広告でその危険を指摘したことは先日→ここで紹介した通りです。ご参考まで。「フクシマとは関連しない」などという日本の政府見解が世界的原発ロビーの代弁であることはだれでも知っており、信用されるわけは無いのです。




155:フクシマ2周年、ドイツ農民がトラクターデモで日本大使館に抗議行動・Protest von Bauern zum zweiten Fukushimajahrestag vor japanisher Botshaft in Berlin am 11.3.2013

 Mit Verspätung einer Woche möchte ich nun Bilderberichte der Antiatomprotest von Bauern zum 2. Jahrestag Fukushimas 11.3.2013 vor der japanischen Botschaft in Berlin zeigen.
Über die Aktion mit etwa 100 Atomgegener berichteten  beide japanische Fernsehersendungen  NHK und TBS.
Vorbericht von Göttingertageblatt ist → hier zusehen.
Wir bedanken uns herzlich für eure internationale Solidalität!

 Wenn man auf Bild klickt,kann man alle ca.70 Bilder auf eimal vergrößern.

 大変お待たせしました。一週間おくれになってしまいましたが、3月11日のフクシマ2周年にドイツの農民たちがトラクターを連ねてベルリンの日本大使館までやって来て、日本の農民に連帯し、早急な原発停止を訴えるメッセージを大使館に手渡しました。
報告が遅れました代わりに、いささか詳しい写真による報告とします。
 (写真をクリックすれば、拡大のパノラマで見ることができます)
21日:2年前と比較のため写真を末尾に一枚追加しました。 ご覧ください。

 9日の土曜日のデモの日から、天候が真冬に逆戻りしてこの日の大使館前の公園は、この通り雪景色。気温は零下5度ほど。
 にもかかわらず、反原発の旗を掲げたトラクターの車列は、9日から200キロメートルを20時間かけて吹雪の中を走り、ベルリン郊外のエコロジー農家に集合し一泊。
定刻の11時にわずか15分遅れでパトカーに先導されて日本大使館前に到着。
さっそく、横断幕が広げられました。

 大使館のある広島通りの柵にも折り鶴や反核のステッカーなどが。

 トラクターが牽引してきた貨車から先ず下ろされたのは、麦わらの束です。これは農民の反原発運動の大切な多目的道具です。ここでは椅子の代わりになります。
 15時まで完全に通行止めとなった車道に、設置される椅子と机。
そこに現れたのが、日本大使館の2人の職員。寒さに震えながら、なにやら警察官に文句を言っていますよ。 何でしょう?
 どうやら「大使館のフェンスに物を貼付けたりするのは、国際法違反で日本国の主権侵害に当たるから撤去せよ」とでも要求したらしく、警察官から撤去を要求されて折り鶴などを撤去させられました。
ウーン、さすがに安倍政権下の立派な国家公務員ですね。「日本の主権は断固として守る!、平和と反核の世界的シンボルである折り鶴も容赦しない!」というわけです。
というわけで、ベルリンの広島通りの日本大使館のフェンスからドイツ人が持参した折り鶴が撤去されました。彼らが、どのような精神で国家主権を守ろうとしているかが、この小さな一事にもよく現れています。ヒロシマ・ナガサキの被爆者たちへの厚顔無恥な仕打ちであるとだれしもが考えるでしょう。
ちょうど2年前の大規模な反原発デモのときには、同じ大使館の正門で何があったかは、このブログの初期にその光景を報告しました→ドイツ市民の哀悼する能力。正門前のフェンスには折り鶴などが数多く長期間掲げられていました。現在と何という違いでしょうか。

この日独の原子力マフィアを揶揄する巨大な諧謔の幕も、フェンスにもたれさすのはけしからんとされ、お巡りさんの知恵で道路標識を利用して立てました。警察官のデモ・意思表示の自由権実現への努力がこの行為にも立派に現れています。
彼らは民主主義の擁護者なのです。これについては、昨年の夏の日本との連帯デモの報告ベルリンの警察はデモする市民の権利の擁護者にもあります。
 この日の抗議集会は厳冬の中で長時間になるので、焼きソーセージとグリューワインの店も開店。準備万端ととのっていますね。
 遠来の仲間に宿を提供したベルリン郊外の農民一家もトラクターで参加。

 降雪も予想してパラソルも広げられ、抗議の集会場もようやく完成します。まさに「日本大使館前臨時反原発村」です。
 その遠景。右が日本大使館、左はイタリア大使館。

 さて、ようやく抗議集会の始まりです。真ん中にあるのが、この日農民たちが、反原発平和の象徴として大使館前の公園に植樹しようと持って来た、サクラの苗樹です。
ただ、この日はご覧のとおりの寒さで、植樹は出来なく延期となりました。
また、農民たちは大使館への記念のお土産として、サクラの造花と折り鶴で飾られたサクラの樹を持参しました。このサクラは放射能のゴミで汚染されています。


 先ずは、大震災と原発事故の犠牲者たちへの追悼の黙祷から集会が始められました。

続いてドイツの農民たちの日本の農民への素晴らしいメッセージが読み上げられました。これは彼らの信条がよく現れているので、いずれ紹介します。日本外務省が大使館経由で日本の農民たちに届けることはあり得ないからです。
 日本人の女性歌手の素晴らしい「サクラ・サクラ」の独唱。めったに聴けないソプラノは大使館内にも届いています。身が震えるような響きでした。実はバイオリンの伴奏も予定されていたのですが、この気温では楽器がだめになるのでこれは中止となりました。次回には是非ともお願いしたいものです。


 次々とあいさつやメッセージが続けられます。

花束を持って参加した女性も。




 この日参加した反核ワンちゃんは、3匹ですが、実に熱心です、この子は農家の愛犬です。
さていよいよ、200キロメーターをトラクターで来たニーダーザクセン州の農民代表のルードビッヒ・パーペさんのあいさつです。
ワンくんも熱心に傍聴。拍手の代わりに「ワン!、ワン!」と叫んだものです。
集会を終えて、いよいよ広島通りの大使館正門へ行進です。
"Abschalten!,Abschalten!/原発止めろ!"の声は彼らの人生の課題です。

ちなみに、この集会に参加した人々のポートレイトも。
反原発運動の勲章のマニアです。
日本からやって来た、原発難民の若者。彼もトラクターでやってきました。
このフランス人の教員は、日本に長く住んで日本語がぺらぺらです。




世界的に有名なゴアレーベンの農民の代表も参加してあいさつ。
この女性はベラルーシの反核活動家として高名です。
日本人も現状を報告。

日本のテレビのインタヴュー。

折り鶴が放射能のゴミの中に。日本の現状を的確に表現しています。

大使館への贈り物のサクラの樹を先頭に正門へ。

パーペさんのトラクターと車椅子の参加者。彼女も折り鶴をひとつ家から持って来て、贈り物の樹の枝につるしました。重度の障がい者である彼女が鶴を折るのは大変なことでしょう。

正門に到着です。





このときは13時30分でした。ところが、大使館の担当者は14時になるまで出てこないとのことです。昼飯でも食っているらしく、待ちぼうけをしろとのこと。

この失礼に怒ったデモ隊は、大使館門前に「放射能」をばらまきました。

そこで、抗議の合唱が始まりました。日本語とドイツ語の「もしもし原発」の歌です。
この替え歌がよく出来た名作。ドイツ語翻訳も面白い。このデモには高名なベルリン在住の指揮者や声楽家もいるので、盛り上がること際限なし。

さらにこの場面に突然登場したのが、緑の党の長老のエヴァさん(緑の党の初代欧州議会議員)だから、たまらない。数カ国後で「嘘つき東電さようなら!」の替え歌を指導したものだから、寒さも吹っ飛びます。ハーモニカの伴奏もありました。
反原発運動は楽しくやらねば続かないことをこの場面は非常に良く示しています。

警備の男女お巡りさんと記念写真です。この日も大変親切でした。日本大使館職員も彼らに見習うべし。
この日の終わりには、門前に撒かれた「放射能」が大使館の気に入らなかったようで、デモ隊に「掃除せよ」との申し出がありました。すると中央の女性の警察官は「立っているだけでは寒いのでわたしも手伝います」と言って、箒を持ってデモ隊と一緒に掃除をしてくれました。まさに市民警察です。
大活躍した日本人女性の皆さんも満足そうです。
他方で日本大使館前臨時反原発村も後片付けも始まりました。
さてようやく、担当官が出てきて、パーペさんがメッセージを渡すために大使館内に案内されました。




2年前と同様にこの日も大使館の国旗は半旗でした。しかし今年は司会をしたドイツの農民が、あいさつで「フクシマにもかかわらず原子力政策を推進する日本への半旗に見える」と述べました。ドイツから見れば日本は自らの敗北へ半旗を掲げているのです。
見事な批判力です。
26,3.2011 Japanische Botschaft
(21日追加)この写真は、2年前の日本大使館の正門のフェンスです。大使館の「感謝の辞」をおおうように、折り鶴をあしらった日本人に寄り添う寄せ書きが貼付けられています。これは大使館に保存されているようです。
同じ場所に、同じように日本を心配する市民たちによって、2年後に「放射能」がばらまかれたのです。これが何を意味するかを大使館はよく考えてみるべきです。