2015年1月31日土曜日

289:哀悼:ワイツゼッカー元ドイツ大統領が今朝亡くなりました。悲しみに包まれるドイツ:2月11日に国葬

リヒャード・フォン・ワイツゼッカ元大統領 DPA
 本日1月31日、元ドイツ大統領のリヒャード・フォン・ワイツゼッカー氏が亡くなったと先ほど連邦大統領府が伝えました。94歳でした。
 元大統領は、1985年の5月8日の敗戦40周年記念日に当時のまだボンにあった西ドイツの→連邦議会で行った演説(邦訳「荒野の40年」)で、「過去に目を閉ざす者は、現在に盲目だ/谁不反观历史,谁就会对现实盲目(中国語)」と述べて戦後ドイツの歴史認識に決定的な役割を果たし、中国だけでなく世界的な尊敬を集めた偉大な政治家でした。
  この演説は、同じ保守派の政治家として、その年の8月に靖国神社を参拝し、近隣諸国から非難を受けた当時の中曽根康弘首相の歴史認識とまさに対照的な行動として、日本とドイツの国際的な評価を決定づけることにもなりました。

 かつて1970年、ワルシャワゲットーの記念碑の前で跪いたウィリー・ブラント首相の東方外交とこの演説によってドイツは統一を果たすことができたのでした。ドイツは今、悲しみに包まれています。2月11日に国葬が行われると報道されています。

 心から哀悼を表します。

 先ほど発表されたガウク連邦大統領の、喪主である→マリアンネ元大統領夫人への弔辞。メルケル首相の→声明はこちら

 わたしも何度もワイツゼッカー氏の話しを直接聴いていますが、このブログで 読めるものはここにあります。中曽根氏についての彼の個人的な感想として非常にめずらしいものです。→日独の双子の「核の男爵たち」の破綻。
またちょうど1年前に執筆し、昨年の日本の憲法記念日に際してここでも紹介したものもあります。→「歴史からは逃げられない」。同文の→実物はこちらです。

一昨年にもお会いしましたが、その時の報告は近いうちに項を変えてしましょう。
1985年5月8日 敗戦40周年記念演説をするワイツゼッカー大統領。DPA

2015年1月30日金曜日

288:後藤健二さん妻Rinkoさんの英語メーセージ:A statement from the wife of Kenji Goto

 先ほど→BBCなどが現状報告で引用して伝えた後藤健二さんの妻Rinkoさんがロイターなどを通じて公表した英語の音声メッセージとその全文は次ぎのとおりです。

音声は英国の支援団体フリーランス・トラストの→こちらで聴くことができます
その→全文は以下のとおりです

毎日新聞による→全文の翻訳はこちらです。
朝日新聞による→全文の翻訳はこちらです

この声明について朝日新聞は→「娘と夫との再会を願う」とロンドンから報道し、
NHKは先ほど→ 後藤さんイスラム国に要求されメッセーと概要を伝えていますが、このように見出しにもスタンスの違いがはっきり出ています。

以下Rinkoさんの英文オリジナルメッセージ全文の引用:
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My name is Rinko. I am the wife of Kenji Goto, the journalist who is being held by a group in Syria. He was taken from me on 25 October 2014, and since then I have been working tirelessly behind the scenes for his release.


I have not spoken out until now as I have been trying to protect my children and family from the media attention Kenji’s plight has created around the world.


My husband and I have two very young daughters. Our baby girl was only three weeks old when Kenji left. I hope our oldest daughter, who is just two, will get to see her father again. I want them both to grow up knowing their father.


My husband is a good and honest man who went to Syria to show the plight of those who suffer. I believe that Kenji may have also been trying to find out about Haruna Yukawa’s situation. I was extremely saddened by the death of Haruna and my thoughts go out to his family. I know all too well what they are going through.


I became aware that Kenji was in trouble on 2 December when I received an email from the group holding Kenji. 


On 20 January I saw the video demand for $200m for the lives of Haruna Yukawa and Kenji. Since then, there have been several emails between the group and me as I have fought to save his life.


In the past 20 hours the kidnappers have sent me what appears to be their latest and final demand:


Rinko, 

YOU MUST PUBLICISE AND EXPOSE THIS MESSAGE TO THE WORLD MEDIA NOW! OTHERWISE KENJI WILL BE NEXT!

If Sajida is not on the Turkish border ready for the exchange for Kenji by Thursday 29th Jan at sunset, The Jordanian pilot will be executed immediately!



I fear that this is the last chance for my husband and we now have only a few hours left to secure his release and the life of Lt. Mu’ath al-Kaseasbeh. I beg the Jordanian and Japanese Government to understand that the fates of both men are in their hands.


I thank the Governments of Jordan and Japan for all their efforts. I thank the people of Jordan and Japan for their compassion. My family was based in Jordan when I was young, and I went to school in Amman until I was 12 years old, so I have great affection and fond memories of Jordan and its people. 


Lastly I thank my family, friends and Kenji’s colleges for the support they have shown my daughters and me over the last 3 months. 


I pray for the lives of my husband and the Jordanian pilot Lt. Mu’ath al-Kaseasbeh.


Rinko 

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以上引用。

 

 このメッセージは世界中に広がっていますが、そのひとつ。

 

AFP通信は、声明を詳しく引用して→「日本の人質の妻が東京とアンマンに彼女の夫の救助を懇請する」と報道しています。 

 その記事に使われている28日の首相官邸前での写真をお借りします。

People stage a rally near the Prime Minister's official residence in Tokyo on January 28, 2015, to support Japanese hostage Kenji Goto who has been kidnapped by the Islamic State group ©Kazuhiro Nogi (AFP/File)

 

 


2015年1月29日木曜日

287:Emergency Live Stream Calling from Tokyo for the Release of Kenji Goto : 後藤健二さんの解放を呼びかける緊急ライブ

 これは日本時間の28日19時から→Our Planet TVの協力で行われた、日本ビジュアル・ジャーナリスト協会のみなさんによる後藤健二さんの解放を呼びかける東京からの緊急ライブです。日本語の呼びかけにアラビア語の通訳がつきます。

事態は急展開していますが、この後藤健二さんの日本の仲間たちの声がアラブ社会に届いて後藤さんの生還に結びついてほしいものです。

 
  出演豊田直己フォトジャーナリスト綿井健陽ビデオジャーナリスト山本宗補フォトジャーナリスト川上泰徳ジャーナリスト佐藤真紀JIM-ネッイラク医療支援ネットワーク
 
日本語アラビア語通訳が入ります
主催JVJA日本ビジュアルジャーナリスト協会
協力OurPlanetTV
 
Emergency Live Stream Calling for the Release of Kenji Goto
 
A group of journalists and NGO staff is having an emergency live stream calling for the release of Kenji Goto to deliver video messages to the Islamic State and the Government of Japan, from 7PM on January 28th.

 

286:日本人人質事件:股裂き状態の安倍政権の卑屈で脆弱な姿

 この項を書いているのは、日本時間の1月29日の午前7時です。
後藤健二さんの解放と生還が実現するか否かは瀬戸際にさしかかっているようです。
どのような結果になるかは予断はまったく不可能です。

 安倍首相は後藤健二さんのお母さんとの面談を「時間がとれない」との口実でつめたく拒否したことは、ほぼ即座にニューヨークタイムスだけでなくイスラエルでも報道されました。
それに応えて 昨晩、首相官邸前では解放を実現せよとの宗教者や、あるいは市民のキャンドルデモなどが行われてています。→東京新聞から写真をお借りします。

後藤健二さん解放を」。首相官邸前では多く人たちが訴えた=28日夜東京永田町で坂本亜由理撮影
  
 さて、産經新聞は本日の「イスラム国 あまりにも卑劣で残忍だ」との見出しの→社説「主張」を以下の言葉で結んでいます:

 安倍晋三首相は衆院本会議で「後藤さんの早期解放に全力を尽くす」と語るとともに「わが国は決してテロに屈することはない。今後とも人道支援を積極的に実施していく」と述べた。
 同胞の生還を望まない日本人はいない。一方で、テロとの戦いを中断することはできない。どれだけ細く困難な道であろうと、この両立に向けて全力を尽くすしかない。

 この、安倍政権の宣伝メディアの「主張」は見事に安倍政権の政策の根本的なジレンマを表現しています。

 論説の筆者は「同胞の生還」と「テロとの戦い」(ここで「闘い」ではなく「戦い」と書いて「戦争」を示唆していることにも注意)が「両立」できることが、はたして可能であるのかを理性的に考えることが出来ないようです。

 後藤健二さんは事実上戦時下の捕虜と同様な人質です。生還の可能性はどのような条件下であれ、たったひとつ「捕虜の交換」しかありません。「解放に全力を尽くす」なら交換という妥協の途しかありません。そうすると言いながら「テロに屈することはない」と主張するのは、論理矛盾した二枚舌です。

 安倍政権も産經新聞の本音は、後藤さんの救出に失敗するようなことになれば、「改憲して武力で人質を解放しなければならない 」と主張する布石としてこのような二律背反の言説をひたすら唱えているのでしょう。だから、後藤さんのお母さんに面会を求められても会いたくないし、また会えない。卑屈で脆弱な政権です。
 
 首相の外交の大失敗によって起こった今回の人質脅迫事件によって安倍政権は、二律背反の股裂き状態に陥ったのです。これも日本の歴史修正主義者たちの本質的に卑屈で脆弱(ぜいじゃく)な歴史認識のなせる姿なのです。

 

2015年1月28日水曜日

285:後藤健二さんの新画像「私には24時間しか時間がない」;日本政府は後藤さんを見殺しにしてはならない

 よりによって、アウシュヴィッツ解放70周年記念日にあたり、現地で行われている大規模な記念式典とほぼ同時間に、イスラム国の「最後通告」ともとれる後藤健二さんの静止画像にメーッセージが付けられた→映像が公開されました。
 ヨルダンと日本政府に24時間以内に要求を受けいれなければ、後藤さんとヨルダン人のパイロットを殺害するとの脅迫がその内容です。
 
 何とか生還していただきたいと願うばかりです。ここまで来れば、助けることができるのはわたしたちの日本政府の能力だけだと思います。
 しかし、ここでは詳しくは論じませんが、このような事態を招いた日本政府の根本的な原因は、世界情勢から剥離して、偏ったアメリカ一辺倒しかできない日本政府の未熟で貧困な歴史認識にあるといえるでしょう。アメリカは人質交換には断固として反対しています。
それが、極右安倍政権で露呈したのがこの人質事件であるといえます。
日本政府は後藤さんを見殺しにしてはなりません。自国民の生命を守るのが政権の最低限の義務です。

 ホロコーストの歴史から学んだ者の決定的な認識にひとつは「一人の命を救う者は世界を救う」という格言です。安倍晋三首相に24時間以内に問われているのもこれです。

 本日、ドイツの連邦議会では午前中に恒例の国家社会主義の犠牲者追悼記念式典が行われ、そこでガウク大統領が「アウシュヴィッツなしにはドイツのアイデンティティーはない」との解放70周年に相応しい、決定的な演説をしたばかりでした。これは重要なので、とりあえずこの演説をブログで報告しなければと考えながら、午後のアウシュビッツの式典を詳しく伝えるドイツ公共放送の中継を観ている時に飛び込んできたのが、この悲惨な報道です。いまわたしは感動にナイフが突き刺されたような気持ちでいます。

 
(この映像、ご覧のように数時間で削除されましたので、下の画像で代用します)

明確な男性の声で伝えられている英語のメッセージの翻訳は次ぎのとおりです。
緊急ですので毎日新聞の翻訳を借用させてください:

以下借用:


私はケンジ・ゴトウ・ジョゴ。妻、日本国民、日本政府に告げる。これが私の最後の
メッセージになる、と言われた。また私の解放を阻んでいるのはヨルダン政府がサジダ
(・リシャウィ死刑囚)を引き渡すのを遅らせているからだとも言われた。あらゆる政治
的圧力をヨルダン政府にかけるよう日本政府に対して言ってほしい。

 残された時間は短い。私と彼女の交換だ。なぜ理解できないのか。サジダは10年牢獄 (ろうごく)にいた。私はわずか数カ月だ。彼女と私の直接交換だ。これ以上、遅れる と、ヨルダン政府はパイロットの死、そして、その後に続く私の死に責任を負うことにな る。私には24時間しか残されていない。パイロットにはより短い時間しかない。どうか 私たち2人を死なせないでくれ。これ以上引き延ばせば2人とも殺される。ボールは今、 ヨルダン政府の側にある。

2015年1月25日日曜日

284:Emergency Statement Calling for the Release of Kenji Goto:後藤健二さんの解放を求める緊急声明/追加:国民に嘘をついた菅義偉官房長官

 新たな事態に対して→日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)が先ほど出した緊急声明です。なおアラビア語は間もなく追加されるとのことです。
 これは、イスラム国と日本政府両者への呼びかけです。どうか緊急の拡散をお願いします。
(26日にアラビア語を追加しました)
27日未明に追加情報を追加しました
 (27日に「平気で嘘をつき国民をだました菅義偉官房長官」を追加しました)
以下引用
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    Emergency Statement Calling for the Release of Kenji Goto


 We, the Japan Visual Journalist Association (JVJA), in our previous “Statement on IS (Islamic State) Japanese Hostage Incident” called for the release of the two Japanese hostages. However, due to the high possibility that Haruna Yukawa has been killed, we now make the following emergency statement to the Islamic State and the Government of Japan.

Upon seeing the image of Kenji Goto holding a photograph thought to be of the body of Haruna Yukawa posted on the internet on January 24, we were filled with regret and sorrow. We had been appealing through our statement that violence can not resolve anything, however regrettably this wish was trampled upon.

Yet, we continue to appeal for the release of the remaining Kenji Goto. We call on the Islamic State and the Government of Japan to engage in sincere negotiations. According to the released image and recorded voice message, the Islamic State is seeking to enter negotiations with the Government of Japan; and the Government of Japan has also expressed that human life is the top priority. Non-violent dialogue between the two parties is fully possible.

Finally, if it is true that Haruna Yukawa has been killed, we express our deepest condolences, and pray that he will be the last to be sacrificed. We also sincerely pray that all Arab people living in the midst of conflict be released from their suffering.

 January 25, 2015

Japan Visual Journalist Association (JVJA)
  
  

   後藤健二さんの解放を求める緊急声明


  私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会 (JVJA)は、「IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明」で2人の解放を呼びかけてきましたが、湯川遥菜さんが殺害された可能性が高いことから、以下、緊急メッセージをイスラ ム国および日本政府に届けたいと思います。

 1月24日にインターネットに投稿された湯川遥菜さん の遺体とみられる写真を持つ後藤健二さんの画像を見て、私たちは悔しさと残念さでいっぱいです。暴力では何も解決しないと声明を通じ て訴え続けてきましたが、残念ながらその願いは踏みにじられました。

 しかし私たちは、残された後藤健二さんの解放を求め て、引き続き訴え続けます。イスラム国と日本政府が真の交渉を行うことを求めます。公開された画像と音声メッセージによると、イスラ ム国は日本政府との交渉を求めていますし、日 本政府も人命を最優先すると明言しています。両者の非暴力による対話は、十分に可能なのです。

 最後になりましたが、湯川遥菜さんが殺害されたことが 事実であれば、ご冥福を祈ると同時に、彼の犠牲が最後となることを祈ります。また今も戦渦に直面するすべてのアラブの人たちが、苦難 から解放されることを心より願います。

 2015年1月25日

日本ビジュアル・ジャーナリスト協会 (JVJA)

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 以上引用。

この写真がネットで出せるぎりぎりのものでしょう。後藤さんの生還を祈ります。

もうひとつ、24日に公表されたビデオの最初の画面には、このように「このメッセージは後藤さんの家族と日本政府はすでに受け取っている」とあります。昨晩の日本政府の慌てふためき様は、あらかじめ受け取っていたことが事実であることを裏付けていると思われます。
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26日追加情報
上記の→推定を裏付ける報道を26日未明にNHKがしましたので、保存しておきます。
ただ、ここでも日本政府も24日の午前中にすでにこの動画を受け取っていたことは伏せられています。あくまでご家族だけとなっているところが「安倍籾井さんのNHK」ですね。菅官房長官との記者会見で、この点を追求する永田町の記者はいないのでしょうか。
「政府がこのビデを受け取ったのは、24日の何時であるのか、確認してください」との簡単な質問です。これが出来ないのであれば、もはや言論機関ではありません。NHKと同じことです。
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後藤さん画像 ネット投稿前に妻へ


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イスラム過激派組織「イスラム国」とみられる組織に拘束された後藤健二さんの新たな画像がインターネット上に投稿される半日以上前の24日午前、後藤さんの妻のもとに画像が添付されたメールが送られていたことが、関係者への取材で分かりました。
「イスラム国」とみられる組織に拘束されていた湯川遥菜さんが殺害されたとみられる写真を持った後藤健二さんの画像は、24日の午後11時すぎ、インターネット上に投稿されました。
この画像がインターネット上に投稿される半日以上前の24日午前、後藤さんの妻に画像を添付したメールが送られていたことが、関係者への取材で分かりました。
メールで送られてきた画像は、ネット上に投稿されたものと同じだったとみられています。
係者によりますと、後藤さんの妻のもとには、去年11月以降、「イスラム国」の関係者が発信したとみられる身代金を要求するメールなどがおよそ10回送ら れたことが分かっていますが、後藤さんが拘束されている映像が投稿された今月20日以降、メールが送られていたことが明らかになったのは初めてです。



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27日追加: 「平気で嘘をつき国民をだました菅義偉官房長官」謝罪し辞任すべし

 朝日新聞電子版は27日朝、

→政府公開前に殺害把握 ヨルダンと協議後ネットに画

 と伝えています。
 これによれば、
  公開された画像には、「後藤健二家族と日本政府が受けとったメッセージとい字幕がついていた菅義偉官房長官は26日会見で事前に把握していたかを問われ、「承知していないと答えた
とのことです。

 すなわち26日になっても、菅義偉官房長官は、ぬけぬけと記者会見で嘘をつき国民を騙したことが明らかになりました。
もしこれが、ドイツであればたちまちメディアから追求され辞任に追い込まれるでしょう。

政府スポークスマンは、質問が政府の機密事項に当たる時には「その質問には事項からして答えられない」などと、嘘にならないように正直に答えるのがモラルです。

 すでにシッポをつかまれていることを知ってか知らずかわかりませんが、平気で「承知していない」と嘘をつき、国民を騙したこの厚顔無恥のタヌキは 政府官房長官としては失格です。これほどの重大事に騙された国民はたまったものではありません。
直ちに国民に謝罪し、辞任すべきです。それが常識でです。
放置すれば永田町の記者も国会議員も同罪です。


2015年1月24日土曜日

283:Statement on IS (Islamic State) Japanese Hostage Incident in Arabic and English

 Statement on IS (Islamic State) Japanese Hostage Incident 

   Statement on IS (Islamic State) Japanese Hostage Incident
 Japan Visual Journalist Association (JVJA) is an organization of photojournalists and video journalists.

We have documented how the attacks by the American and British-led coalition forces brought destruction and suffering to the Iraqi people during the Iraq War and the occupation that followed. We reported what we documented through media including television and newspapers. We have also interviewed civilians who came under Israel’s indiscriminate attacks on Palestine and Gaza, also reporting on television and in newspapers.

Our coverage has never supported the attacks by the United States and Israel. This is because as journalists, we cover events as they happen where they happen, and we thus understand the realities of people living in war conditions. Through our reporting, we have been criticizing all forms of violence. We continued to criticize the Japanese government’s war policies. We have also strongly criticized Israel’s attacks on Gaza. We are also using our reporting to criticize the Abe administration’s current policies that affirm war.

While covering the situation on-site, we met Kenji Goto, one of the hostages taken by IS (Islamic State). Kenji Goto is also one of the few journalists who has reported on television and through the internet on the suffering of civilians in war-torn Iraq and Syria. We have not had any direct interactions with Haruna Yukawa, but according to reports, it seems he entered IS (Islamic State) from of his own personal interest.

We stand by the principles of journalism that violence does not resolve problems. This is because we have continued to see for ourselves the ravages of areas where the use of arms and force has not solved anything. We believe that communication, including negotiation, is the way to resolve problems.

We appeal to everyone of IS (Islamic State). We appeal to you not to kill the two Japanese, Kenji Goto and Haruna Yukawa. Human life is priceless and cannot be traded for anything else.

We also appeal to the government of Japan. We demand that the Japanese government refrains from becoming complicit in military intervention in the Middle East by opposing it and choosing diplomatic means to find solutions.

January 20, 2015
→Japan Visual Journalist Association
http://www.jvja.net
e-mail: office@jvja.net


2015年1月23日金曜日

282:日本の原発事業者の「転向」の良い手本:独エーオン社の再生エネルギーへのラジカルな新戦略

 ドイツでは今世紀に入ってから脱原発を進め、並行して再生可能エネルギー利用がダイナミックに進展していることは、日本でも知られています。ただ日本ではフクシマ大事故にもかかわらず、しつこく生き残りを目論む原子力ロビーが影響力を回復させているために、ドイツのエネルギー事情に関するメディア情報も非常に偏っているか、あるいは少なすぎるのが実情です。

 そんな中で昨日の毎日新聞の 昨日の夕刊にこのようなコラムが掲載されました。
クリック拡大でお読み下さい。
毎日新聞2015年1月21日夕刊
ここで大島秀俊記者が触れている目下発売中の→『世界』2月号の記事の最初の頁は以下のとおりです。続きは本誌でお読み下さい。目次を見れば判りますが、同号には他にもドイツに関するものだけでなく、優れたレポートが数多く見られます。

『世界』2015年2月号。37頁「世界の潮」

エーオン社長ヨハネス・タイセン氏。2012年12月2日記者会見で 写真:梶村太一郎
この報告に使用したエーオン社のタイセン社長の記者会見での写真のオリジナルがこれです。何しろ同社はドイツだけでなくイギリスやアメリカなどにも大きな投資をしている欧州最大の民間の発電エネルギーコンツェルンですから、彼の決断の衝撃と影響はドイツ国内に停まるものではありません。
 
 記者会見の翌日『南ドイツ新聞』は→「68年世代よりもラジカルな転換」との見出しで報道したものです。上記報告にも少し触れてありますが、この人物はドイツの原子力産業の中枢で育った有能なマネージャーです。何を隠さん、わたしも68年世代のひとりですから、記者会見で同じような印象を得ました。会見が終わり、これから説明のためロンドンの支社へ飛ぶ社長に、記者会見で嫌な質問をしたお詫びに、「あなたは革命家ですね」と挨拶すると大いに笑っていました。
 
 彼と同社の決断は、到来しつつある再生エネルギー社会で生き残ろうとする未来を見据えた画期的なものです。日本の原発事業者のトップも学ぶべきこが多いことは間違いありません。再稼働にかまけているだけではいずれ事業は破綻し自滅することは必然です。
原発ロビーの皆さんに、彼からしっかり話しを聴いて良いお手本として「ラジカルな転向」をすることを勧めます。それこそが、価値ある経営者としての→コンプライアンスでしょう。これこそが、東電以下の心ある株主の利益を守る唯一の戦略ではありませんか。
違いますか?

2015年1月21日水曜日

281:「イスラム国による日本人人質事件に対する声明」日本ビジュアル・ジャーナリスト協会:後藤健二さんについて

 日本のフォトジャーナリストの友人から送られてきた緊急の声明です。そのまま転載致します。転送拡散お願い致します。明日うらしま

後藤健二さん:シリア北部の都市アレッポでの取材風景(写真:INDEPENDENT PRESS)

以下転載:
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 IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明

 
 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会( JVJA )はフォトジャーナリストやビデオジャーナリストの団体です。
 
 私たちは、イラク戦争とその後の占領下において、米英軍を中心とした有志連合軍による攻撃がイラク市民にどんな災禍をもたらされたかを取材、テレビや新 聞などで報道してきました。また、イスラエルのパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃に晒された市民を取材し、テレビや新聞等で報道してきました。私たちの 報道はけっしてアメリカやイスラエルの攻撃を肯定するものではありませんでした。
 
 私たちジャーナリストが、現場での取材を通して理解した戦争下の住民の現実だったからです。同時に、報道を通して私たちはあらゆる暴力を批判してきまし た。日本政府の戦争政策に対しても批判してきました。イスラエルのガザ攻撃に対しても、私たちは強く批判してきました。私たちは現在の安倍政権の戦争を肯 定するかのような政策を、報道を通して批判しています。
  
  現在、IS(イスラム国)が拘束している後藤健二さんには、取材の現場で会ったことがあります。後藤健二さんもまた、イラクやシリアでの戦火に苦しむ市民 の現状をテレビやインターネットで報道してきました数少ないジャーナリストです。湯川遥菜さんは、私たちと直接の接点はありませんでしたが、報道によると 個人的な興味から「イスラム国」に入ったようです。
 
 私たちは、暴力では問題の解決にならないというジャーナリズムの原則に立ちます。武力では何も解決されない現実を取材をとおして見てきたからです。「交渉」を含むコミュニケーションによって問題解決の道が見つかると信じます。
 
 私たちは、IS(イスラム国)の皆さんに呼びかけます。日本人の後藤さんと湯川さんの2人を殺さないように呼びかけます。人の命は他の何ものにも代え難いものです。イスラムの教えは、何よりも平和を尊ぶことだと理解しています。
 
 私たちは、同時に日本政府にも呼びかけます。あらゆる中東地域への軍事的な介入に日本政府が加担することなく、反対し、外交的手段によって解決する道を選ぶようにと。
 
 2015年1月20日
原文→日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)

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 以上転載。

 本日の→NHKの報道でも確認されるように、この「人質殺害脅迫と身代金要求」は、安倍首相に直接向けられたものです。事態がどのように展開するにしても、彼の政治責任は免れないことだけをまずここで指摘しておきます。安倍氏の「積極的平和主義」の最初の犠牲者となることを危惧します。
 また本日のドイツの公共第一放送→ARDの報道でも伝えられているように、ビデオに登場したイギリス英語を話す人物はこれまでにも英米の人質4人を殺害したのと同一人物であるとのことです。事態は非常に深刻です。

 人質になっているジャーナリストの後藤健二さんのインタヴューと寄稿の最近の記事ふたつを参考としてお読み下さい。いずれもクリスチャンツディーに掲載されているものです。

 →それでも神は私を助けてくださる

 →戦争に行くという意味

 これらを読むと、後藤さんは先に人質になった日本人を助けにいこうとしたのかもしれないとも思えます。いずれにせよ生還していただきたいと祈ります。

2015年1月12日月曜日

280:「筆は銃弾より強し」パリの追悼デモに連帯するベルリン市民 Je suis Charlie in Berlin 11.1.2015

Berlin Pariser Platz 11.1.2015

 本日、1月11日のパリでの追悼デモには最新の報道では150万人、フランス全土では300万人を越えたと報道されています。パリでのデモではパレスチナ自治区議長のアバス氏とイスラエルの首相がオランデ大統領とメルケル首相と並んでデモをするという、およそ昨日までは想像を絶する光景が見られました。スローガンは「イスラム・キリスト・ユダヤ全てがシャルリーだ」とする宗教と民族を超えた言論の自由の防衛への連帯意志の表現です。

 パリからの報道によってわたしが最も感動したのは、デモの先頭に並んだ犠牲者の遺族たちのなかの襲撃された新聞の生き残りの編集者にオランデ大統領が抱擁で哀悼を示す行為でした。オランデ大統領も、この新聞に例外なくこれでもかと言わんばかりに風刺され、侮辱され続けているのです。これこそがボルテール以来のリベラリズムのあるべき姿です。わが日本の安倍首相などは、彼の爪の垢を煎じて飲ましても、この真似すらできないでしょう。
 
 ところでここにオバマ、プーチンの米露両大統領の姿が見られなかったことこそが、現在の世界情勢の有り様をこれも見事に物語っています。
 彼らはこれに参加することに躊躇せざるをえないからです。なぜなら彼らの前世紀からの冷戦時代からの軍事力に依拠する支配イデオロギーが、現在の世界中のテロと戦争の根本的な原因であるからです。ベトナム戦争後では、旧ソ連邦のアフガニスタンへの侵攻、それに対するアメリカのアルカイダの育成こそが、このような9・11以来のテロリズムを育成した根本的原因なのです。

 このパリでのテロ行為の実行犯3名はいずれもフランスの旧植民地諸国からの移民のフランス生まれの二世です。 生まれた国での差別と、彼らのアイデンティーの根であるイスラム文化圏諸国でのアメリカとフランスなどの同盟諸国の恐るべき軍事暴力が、この若者たちを恐るべき犯罪に駆り立てたことは間違いないでしょう。このような非道は世界のあちこちで日常的に起こっているからです。彼らの行為は暴力の連鎖の小さな現れにすぎません。その意味では、この確信犯たちもみじめな犠牲者であると言えましょう。

 しかし、この17名の犠牲者(内5人はユダヤ系フランス人。ひとりは同じイスラム教徒)をもたらしたこの事件は、世界文明の中枢神経へのテロでした。
  フランスは劇作家モリエールや思想家ボルテールらの啓蒙思想によって、1789年の革命で、世界で初めて国権による言論検閲を廃止した国です。その後ナポレオンが検閲を一時復活させましたが、その後は風刺芸術家ドーミエや、ドレフーズ事件での作家ゾラなどによって表現と言論の自由の意志が貫かれた社会なのです。小さな風刺新聞へのカラシニコフでの襲撃が、その世界に誇るべき伝統への襲撃として受け止められたのです。この連鎖を断ち切ろうとするのが本日のフランスの市民の意思表示なのです。
 
 米露は、このパリでの言論の自由に対する銃によるテロ攻撃に抗議して「筆は銃弾よりも強し」とデモ行進したフランスの市民の意志から学ばねばなりません。そうしない限り世界平和の実現は不可能です。

 本日、パリの追悼デモと同時にベルリンでも悪天候の中で、ブランデンブルグ門前のパリ広場のフランス大使館前で連帯の追悼行動が行われました。以下はその光景の写真です。メディアは5000人から18000人の参加があったと伝えています。わたしの観察ではのべで10000人ほどでしょう。全てわたしが撮影した市民の姿です。