2015年2月25日水曜日

295:ベルリンで辛淑玉(シン・スゴ)さんとの「日本語でトーク」の集まりがあります。参加を呼びかけます。

 さて、ベルリンでは3月8日もフクシマ4周年かざぐるまデモに続き、3月10日(火曜日)に、日本から辛淑玉(シン・スゴ)さんをお迎えして日本語でトークが行われます。日本の国会でも問題になっている極端なヘイトスピーチなどの実態を知ることのできる滅多にない機会です。多くの皆さんの参加を呼びかけます。

なを、彼女も参加している→のりこえねっとが参考になります。

以下お知らせです。
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 二月もあと僅かとなり、春めいてきたベルリンですが、みなさまお元気でおすごしでしょうか。

さて、昨年夏から不定期に開催しております《日本語deトークinベルリン》は、3月10日に日本から辛淑玉(シン・スゴ)さんをお迎えしま す。
辛淑玉さんは、東京生まれの在日コリアン3世で、人材コンサルタントとして事業を行う傍ら、 テレビ出演、講演、執筆活動を通して、人権活動家として精力的に日本社会で発言されています。今回、《日本語deトークinベルリン》では、「おかしい」を通り越してそろそろ「危うい」日本の現状を、辛淑玉さんと一緒に考えてみたいと思います。辛口の辛淑玉節が聞けるまたとない機会です。平 日の夜ではありますが、みなさまご友人お知り合いをお誘い合わせの上、是非足をお運びください。

・日時: 3月10日(火)19時開始、20時30分終了予定(18時30分開場)
 ・場所:→ Haus der Demokratie und Menschenrechte
    Greifswalder Straße 4/ 10405 Berlin
   
・講師:辛淑玉(シン・スゴ)さん。ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク「のりこえネット」共同代表。『その一言が言え な い、このニッポン』(七つ森書館)、『差別と日本人』 (野中広務共著、角川one テーマ21)、『〈男文化〉よ、さらば』(富山妙子共著、岩波ブックレット)、など著書多数。2003年に第15回多田謡子反権力人権賞を受賞。
なお、以下のリンクアドレス経由で、辛淑玉さんの対談をご覧頂けます。
http://www.norikoenet.org/movies/20140402-movie.html
http://www.norikoenet.org/movies/20140521-movie.html 
http://www.norikoenet.org/movies/20140714-movie.html
https://www.youtube.com/watch?v=6pPvR2csRJ8&noredirect=1
 ・参加無料

《日本語deトークinベルリン》@女の会 

 

2015年2月23日月曜日

294:フクシマ4周年:ベルリンで恒例の脱原発デモ:Kazaguruma-Demo zum 4. Jahrestag von FUKUSHIMA

 ベルリンの日独の市民運動からのフクシマ4周年の脱原発かざぐるまデモのお知らせです。今年の3月7日(土曜日)のデモには、驚くべきことに福島は会津磐梯山からキツネをはじめ動物たちがやって来ており、一緒に踊りながら行進するそうです。
しかも今回のデモのルートは文字どおりベルリンの目抜き通りですね。
  日独のメディアの皆さんもこぞって参加、取材しましょう。詳しくは→こちら

  HIermit eine Ankündigung für Kazaguruma-Demo zum 4. Jahrestag von FUKUSHIMA. Als große Überraschung  werden zählreiche Tiere aus
der Berge von Fukushima tanzend teilnehemen. Das ist echte Neuheit in Berlin.
Also machen Sie mit!
MItteilung : →Deutsche  →English

Mitteillung :auch mit bundesweiten Aktionsterminen.

Tiere zeigen ihre Tanzübung:


以下お知らせです:

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ベルリン在住の皆様

恒例の反原発デモ(かざぐるまデモ)が、近日にあります。
今回は、福島会津のかんしょ踊りを踊りながらのデモ行進です。
今年も、日本に届くくらい大きなデモになるよう、
踊りたい方、踊りたくない方、どちらも大勢お誘いあわせの上、いらしてください。

日時 3月7日 土曜日 13時 

集合場所 ブランデンブルグ門 Pariser Platz

行進ルート Pariser Platz →  Unter den Linden  → Friedrichstrasse  → Leipziger Straße → Potsdamer Platz(ここでスピーチ)

テーマ フクシマを忘れるな


かんしょ踊りの踊り方は、下のサイトを見ていただければ、習得できます。
http://kazagurumademo.de/

かざぐるまは、当日配ります。
各自、和風衣装、小物、デモグッズでの雰囲気つくり、歓迎です。

ドイツ語の方が読める人には、サイト抜粋の以下のものを拡散してください。英語もサイトにございます。

Kazaguruma-Demo zum 4. Jahrestag von FUKUSHIMA

Sa. 07.03.2015, ab 13:00 Uhr am Brandenburger Tor

Vier Jahre sind seit dem Super-GAU in Fukushima vergangen. Leider scheint der große Atomunfall bereits in vielen Köpfen weltweit in Vergessenheit geraten zu sein, aber die Katastrophe und schlimme Folgen sind gar nicht vorbei!
Deshalb wollen wir Sayonara Nukes Berlin gemeinsam mit AntiAtom Berlin und Naturfreunde Berlin zum 4. Jahrestag von FUKUSHIMA auf die Straße gehen.

Wir wollen dadurch den Betroffenen in und um Fukushima und den japanischen Bürgern, die sich für die atomfreie Welt einsetzen, unsere Solidarität bekunden, aber auch hiesigen Bürgern daran erinnern, dass FUKUSHIMA keineswegs nur das Problem von Japan ist.

Kazaguruma (Windräder auf Japanisch) dürfen dabei nicht fehlen als Symbol für unsere gemeinsame Hoffnung auf eine atomfreie Zukunft. Die Windräder werden wieder während der Demo verteilt.

Dieses Jahr wollen wir “tanzend” auf die Straße von Berlin gehen, begleitet von der traditionellen Musikfolklore aus Fukushima, zu der man heiter tanzt (der Tanz heißt “Kansho Odori”) . Die Schritte sind einfach. Tanzt mit zum Remix der energischen Folklore, geht mit uns auf die Straße!

http://kazagurumademo.de/

 ちなみに、当ブログでの毎年のデモの報告は以下のとおりです:
→フクシマ2周年デモ 
→フクシマ3周年デモ

2015年2月11日水曜日

293:安倍内閣のタブー資料公開「日本軍によるオランダ人女性の強制売春に関するオランダ政府報告書」全文の翻訳

  2007年の第一次安倍内閣において首相の「狭義の強制売春はなかった」という歴史事実を否定する発言がなされました。
これに対し、サンフランシスコ講和条約で日本政府が受諾した連合軍の戦犯裁判のひとつであるオランダ軍臨時軍法会議での判決文、法廷資料などのオランダ語原文を翻訳解説して『週刊金曜日』に連載しました。
 そこには首相の「官憲による強制を裏づけるものはない」との見解を完全に否定する多くの歴史資料が原文の翻訳により示されています。
しかし週刊誌の紙面では到底全文が掲載できないので、多くの資料を新たに加えて2008年6月に発刊されたのが、→この書籍です。

 単行本には1994年に提出された、オランダの外務大臣と文化大臣の指示によって作成されたオランダ政府の「日本軍占領下の旧蘭領東インド(インドネシア)でのオランダ人女性に対する強制売春に関する資料調査報告書」の翻訳の全文(→オランダ語原文)も収録してあります。
 
 この資料の冒頭に添付されたオランダ外務大臣の書簡にもあるようにこの報告書は、直ちにオランダ政府から日本政府にも届けられている公文書です。安倍晋三氏は首相としてこの公文書をいまだにあえて無視しています。
 
 そして第二次安倍内閣では、朝日新聞の「慰安婦誤報問題」を奇貨として、あたかも「慰安婦強制連行」が史実ではなかったごとくの極端な歴史修正主義が蔓延しつつあります。このような主張は、この公文書をまったく無視するか、これにまったく無知であるのかのいずれかです。

 このオランダ政府の報告書は、すでに報告しましたように、昨年日本を公式訪問した→オランダ国王の皇居でのスピーチの根拠のひとつでもあるのです。わたしはこのように書いています;


十月二九日、国賓として天皇を訪問したオランダのアレクサンダー国王は→宮中晩餐会の挨拶(王室英語原文)で次のように述べている。
 

「私 たちは第二次大戦中におけるオランダ市民と兵士の体験を忘れようとは思いませんし、忘れることもできません。この数年間に負わされた傷の痛みは、多くの人々の人生に暗い影を投げ続けています。犠牲者への悲しみは今日も続いているのです。拘禁と強制労働と陵辱の記憶が多くの人々の人生にいくつもの傷跡を残しているのです。」

So we will not forget - cannot forget - the experiences of Dutch civilians and soldiers in the Second World War. The wounds inflicted in those years continue to overshadow many people's lives. Grief for the victims endures to this day. Memories of imprisonment, forced labour and humiliation have left scars on the lives of many.

 宮中晩餐会には、当然安倍首相以下の閣僚の多くが列席してこの英語での国王のスピーチを聴いていたのです。彼らは国王のこの言葉を「見ざる言わず聴かざる」の三猿としています。歴史修正主義政権のタブーであるからです。「拘禁と強制労働と陵辱」とはでは具体的に何であったのでしょう? その答えのひとつがこの政府報告書なのです。
 おそらく、平成天皇と皇后はこのことを自覚しているのではないかと推定しています。
 
Tokio, 29 oktober 2014: Koning Willem-Alexander, Koningin Máxima, Keizer Akihito en Keizerin Michiko © ANP, foto: Robin van Lonkhuijsen.
そこでこの資料をネットでも公開してほしいとの声がベルリンにまで寄せられており、同資料の翻訳者の村岡崇光ライデン大学名誉教授と相談の上で、以下の同資料の全文(本書210ー246頁)をここに公開します。

 この書籍には末尾の目次にあるように、このオランダ政府報告書にある膨大な公文資料の中でも「日本軍による強制連行」を裏づける最も重要な一次資料14点の翻訳に詳しい解説をつけたものが収録されています。これらには、この報告書の根拠となった被害者の生きた声に接することができるのです。ぜひ本書の本体であるこれらをお読み下さい。
 
「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです」

"Wer aber vor der Vergangenheit die Augen verschließt, wird blind für die Gegenwart. Wer sich der Unmenschlichkeit nicht erinnern will, der wird wieder anfällig für neue Ansteckungsgefahren."
           
 30年前にこう述べた ワイツゼッカー元大統領のベルリンでの国葬の日に
                      2015年2月11日

     (以下はクリックすれば全てパノラマ写真でよく読めます)

















2015年2月2日月曜日

292:後藤健二さんらの殺害報告を受けての緊急声明(JVJA):Emergency Statement upon the Execution of Hostage Kenji Goto

後藤健二さんらの殺害報告を受けて、2月1日に出された日本ビジュアル・ジャーナリスト協会の→日本語、アラビア語、英語の緊急声明は以下のとおり:

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後藤健二さんら人質殺害を受けて緊急声明

 
 私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)は、日本人人質事件の発覚後、2通の声明文とビデオメッセージを通じて、 後藤健二さんと湯川遙菜さんの解放を関係者に求めてきました。しかし湯川さんに続き、後藤さんを殺害したとする映像が公開され、私たちは深い悲しみでいっ ぱいです。
 
 後藤さんはこれまでに世界各地で苦しむ人びとの側に立ち、事実を伝えることでジャーナリズムの役割を果たしてきました。公開された映像が事実であるならば、後藤さんが否定してきた理不尽な暴力により、命を奪われてしまったことになります。
 
 なぜこのような事件が起き、そして繰り返されるのか、「報復」は憎しみと対立を煽るばかりです。暴力による負の連鎖を断ち切るために、原因を追求し、私たちは賢明な平和的手段で解決することを訴えます。
 
 今も世界各地では戦闘や空爆が続き、犠牲者は増え続けています。暴力から尊い命を守ること、それが後藤さんがジャーナリストとして命をかけて伝えたかっ たことではないでしょうか。後藤さんと湯川さんのご冥福を祈ると同時に、彼らの犠牲が最後となることを祈ります。

 201521
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA

以下に付記するアラビア語への翻訳はカイロ大学日本語科卒業生有志の協力で実現しました。
 

Emergency Statement upon the Execution of Hostage Kenji Goto

 

We, the Japan Visual Journalist Association (JVJA), appealed to those concerned for the release of Kenji Goto and Haruna Yukawa through two statements and video messages. However, we are now filled with deep sadness following the publication of videos showing the execution of Mr Yukawa and Mr Goto.

Mr Goto stood always on the side of the people suffering around the world, and fulfilled his role as journalist to convey the facts. If the footage released is indeed real, Mr Goto's life was taken through the very wanton violence which he had disavowed.

Why did such an incident occur, and why is it repeated? “Revenge” serves only to exacerbate hatred and conflict. In order to break through the negative cycle of violence, we must examine the root causes, and call for resolution through prudent, peaceful means.

As fighting and bombing continues throughout the world, the number of victims continues to increase. Protecting precious human life from violence is what Mr Goto as a journalist wanted to convey, even at risk to his own life. While expressing condolences for Mr Goto and Mr Yukawa, we pray that they will be the last to be sacrificed.

February 1, 2015
 

Japan Visual Journalist Association (JVJA)
http://www.jvja.net
e-mail: office@jvja.net

291:後藤健二さんの妻Rinkoさんの個人声明と英国支援団体の追悼の辞英文原文:A personal statement from Kenji Goto's wife, Rinko. ;Remembering Kenji Goto,T.Carr

 

 本日、2月1日にロンドンの支援団体RPTを通じて出された(1)後藤健二さんの妻の英文による個人声明と、(2)同団体のディレクターによる後藤健二さん追悼の声明は次のとおりです。

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(1)Rinkoさんの個人声明→英文オリジナルは以下のとおり:


Sunday, 01 February 2015 Written by Rinko, wife of Kenji Goto

A personal statement from Kenji Goto's wife, Rinko. 

My family and I are devastated by the news of Kenji’s death. He was not just my loving husband and father to our two beautiful children, but a son, brother and friend to many around the world.

While feeling a great personal loss, I remain extremely proud of my husband who reported the plight of people in conflict areas like Iraq, Somalia and Syria.
 It was his passion to highlight the effects on ordinary people, especially through the eyes of children, and to inform the rest of us of the tragedies of war.

I would like to thank everyone who has offered their support to myself and our family over these last difficult few months.

As you can imagine this is an extremely difficult time for our family. I would ask that the media please respect our privacy and allow us time to come to terms with our loss.

Rinko

→共同通信による翻訳は以下のとおり:

後藤健二さん(47)の妻が英国のジャーナリスト支援団体を通じて発表した声明は次の通り。
 
 家族と私は夫の死の知らせに打ちのめされました。彼は私の愛する夫であり、2人のかわいい娘たちの父親であるだけではなく、親やきょうだいもいて、世界中に多くの友人がいました。
 とても大きな喪失を感じる一方で、イラクやソマリア、シリアのような紛争地で人々の苦しみを伝えてきた夫を大変誇りに思っています。
 夫は、特に子どもたちの目を通じ、普通の人々への影響に光を当て、戦争の悲劇を私たちに伝えることに情熱を傾けてきました。
 この非常に厳しい数カ月間、私や家族をご支援いただいた皆さまに感謝したいと思います。
 察していただけると思いますが、私たち家族にとっては極めて苦しい時です。メディアの皆さんには、私たちのプライバシーを尊重し、夫の死を受け入れる時間をいただければと思います。

=声明は英語。個人情報に関わる部分を一部割愛。(共同)

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 (2)RPTディレクター、ティナ・カーさんの→後藤健二さんの追憶文

 

Remembering Kenji Goto


Sunday, 01 February 2015 Written by Tina Carr

The Japanese freelancer, who has been killed by Islamic State, was committed to covering humanitarian issues and the stories of ordinary people caught up in conflict.

We are horrified and deeply saddened by the killing of freelancer Kenji Goto by Islamic State. 

Kenji, 47, was an experienced and respected journalist - one of the very few freelancers working in Japan.  He had covered conflicts in Afghanistan, Albania, Chechnya, Iraq, Liberia and Sierra Leone before travelling to Syria.  In 1996 Kenji set up the news agency Independent Press which focused on the coverage of humanitarian issues and ordinary people - especially children - caught up in conflict.  In addition to his reporting, he made documentaries that aired on NHK and Asahi TV, and authored several books.

Kenji was well known to us at the Trust – a friend and supporter of our work and a regular entrant to the Rory Peck Awards.  His death is a huge loss to everyone who knew him. What his family has been through is unimaginable and we hope that everyone will respect their privacy.

Kenji Goto is the third international freelance journalist to be executed by Islamic State.


Tina Carr
Director, RPT


2015年2月1日日曜日

290:哀悼:無慈悲な犯罪で最善の息子を失った日本:後藤健二さんの殺害の報道に

 先ほどから後藤健二さんが「イスラム国」によって殺害されたという動画が確認されたと報道されています。経過からしておそらくこれは事実で、であれば最悪の結果となったことになります。
日本政府に宛てた動画のタイトル
 NHKによれば、そこでは:

日本政府は邪悪な有志連合に参加した愚かな同盟国と同じよイスラム国力と権威を理解できなかったわれわれ軍はお前たち血に飢えている 安倍総理大臣よ勝てない戦争に参加した向こ見ずな決断によってこナイフは後藤健二を殺すだけでなく今後もあなた国民はどこにいても殺されることに なる日本悪夢が始まる

 と英語で話されているとのことです。

 事実とすれば、許しがたい無慈悲な犯罪です。日本は後藤さんが犠牲になることで、世界の不正を許すことができず正義感にあふれ、弱者である子どもたちの援助に励む最善の息子の一人を失ったことになります。
わたしたちは後藤健二さんのこの最期の姿とおもわれる眼差しを忘れることはできないでしょう。後藤健二さんを救助できなかった無力を、ひとりの日本人として後藤さんとご家族と友人のみなさまに哀悼とともに深くお詫びいたします。
この、 残虐な行為は、この中世のイスラム圏の復活を実現しようとするイデオロギーによるもののようです。
しかし同時に日本の帝国陸軍の兵士たちが、特に日中戦争で同様な残虐行為を数え切れないほど行った史実も決して忘れてはなりません。このような残虐 行為を誇りとする「イスラム国」は、当時の日本軍の残虐行為を「強さ」として疑うことのなかった軍国日本社会とよく似ているのではないでしょうか。
ただし、この凶行はこれまでの犠牲者がすべてオレンジ色の衣服を着せられていることに明らかのように、アメリカのガンタナモの戦争犯罪への報復であることは 確かです。湯川さんと後藤さんはそのアメリカに加担した日本政府の政策の最初の犠牲者であることも忘れてはなりません。

 ことここにいたっては、日本の社会が遺された湯川さんと後藤さんのご家族を、哀悼と温かい連帯の意思表示で見守っていけることを望みます。
 またもうひとつは、安倍政権が この悲劇を口実に憲法を無視して武力による対策を謀らぬことを願います。軍事力ではこの問題は解決できないだけではなく、さらなる無用な犠牲を拡大させるだけです。